私がピアノを教え始めた頃に感じた「なぜ出来ないの??」
保護者の方もそう思われた事はありますか?

いくつか出来ない理由があるのかなと思うので、書いていきたいと思います。

そもそも能力的に無理がある

「その子に才能がある・ない」という事ではなく、そもそも体の大きさ的に無理がある場合。
例えば、オクターブがギリギリ届く子に、オクターブの連続が出てくる曲や音をたくさん押さえなければいけないような和音が出てくる曲をスラスラ弾けるようにしなさいと言っても、無理があります。

その場合は、音をカットしたり、少しアレンジが必要な場合があります。または、体にあった選曲にする。
無理なものを、無理やり練習していくと、手の故障に繋がっていきます。

注意されている事が理解できていない

ここ数年で感じる事なのですが、「注意された事は分かっているけれど直せない」が多い。
最初は、注意された事が分かっているのに、なぜ??という思いが強かったのですが、一つ一つ紐解いていくと、、、、

注意された事と行動がリンクしてはじめて「なおる」という事になります。

<例>
「大きな音で弾きましょう」という言葉の意味と「大きな音の出し方」がリンクして、実際に大きな音で弾くことができます。

注意された事と行動がリンクしていないと・・・

<例>
「大きな音で弾きましょう」という言葉は聞き取れているけれど、「大きな音を出し方」と結びついていないと、何度やってもなおらない、出来ない。という事になります。

生徒さんの中に注意すると、きちんとお返事もするし、なにを注意されたか言えるし、方法も知っているのに、直らないという不思議な現象が起こる子がいました。もちろんふざけて直さないでいるわけでもない。その場にいる保護者の方も「う~ん・・・」という表情。

ある時、注意した事をステップごとに説明していると、ようやく「注意された事」と、「方法」がリンクしたようで、「○○って事~??」と、すんなり直った事がありました。

その時、ようやく「言葉」と「方法」が繋がっていなかったという事に気付きました。

このような場合は、想像力を養ったり、言葉と行動を一致するように声がけ、コツコツと続けていくと良いかなと思います。

そもそも気にしていない

演奏が終わると必ず「どうだった?」と聞くようにしています。自分が出来た事・出来なかった事・気になる事など正確に把握できている子もいれば、つっかえながら、間違いが多く弾いていても「良く弾けた!」と満足そうな子もいます。

始めのうちは、申し訳ないのですが「理解不能・・・」という状況でした。なぜ、止まりながら、弾きにくそうにしているのに、出来た!!と満足そうに言えるのか・・・最近はやりの自己肯定感が上がるという事なのか?!と、悩んだりしましたが、理由は意外にあっさり。

何も気にしていない!

言葉が悪いですが、止まる事に対して気にしていない。間違えることに対して気にしていない。弾きにくい事に対して気にしていない。だけなのです。上達するには「自分の現状に気付く」「気にする」という事がスタートとなります。気付けていなかったら、当然直っていかないですよね。

この場合も、その子の現状とゴールを比較して、気付く機会を増やしていく事で、少しずつ出来るようになってくるかなと思います。

解決法

色々な解決法があるかなと思いますが、まずは本人の経験値を増やしていく。これは、ピアノの経験値だけではなく、日常のあらゆる事の経験値を増やすと良いと思います。特別な行動をするのではなく、いつも通りの生活の中で、より細部まで見てみたり、似ているものを比較して違いを見つけてみたり、パターンを見つけてみたり・・・観察するクセが付いてくると、少しずつ変化していくのではないかなと思います。